視力回復ならどっちが良い?目の筋トレ「アイトレ」と目の手術「レーシック」
近視になるメカニズムや原因、視力を回復するための方法についてまとめています。
そもそも近視とは、遠くを見るとピントが合わずにぼんやり見えてしまう状態のことです。
「両親も近視だし、やっぱり遺伝か・・・」と、近視の改善を諦めている人もいるかもしれませんが、実は、生活習慣や環境が原因という場合も多いのです。特に、デスクワークの方やスマホを長時間利用する方の場合は近視になりやすい傾向にあります。
実際、公表されている厚生労働省のデータによると、60年前と比べて近視の数は、
と圧倒的に増えていることが分かります。
60年前にはなくて、今の生活に普及しているものといえば、テレビ・パソコン・スマホ・ゲームといった『モニター機器』です。こうしたモニター機器がなぜ近視の原因になるのでしょう?
その理由は、目の筋肉にあります。人間の目が遠くや近くを見るとき、『毛様体筋』という筋肉でレンズの役割を持つ目の水晶体を調節することで、鮮明に見えるようにピントを合わせています。
しかし、長時間のデスクワークやスマホの利用によって近くのものばかり見ていると、次第に毛様体筋が凝り固まってしまいます。すると、毛様体筋が近くのものにピントを合わせた状態で固まり、遠くのものにピントを合わせる働きができなくなってしまうのです。長時間モニター機器を見続けることは、近視になるために目の筋トレをしているようなものです。
では、一度近視になってしまったら、もうレーシックのような手術でしか改善しないのでしょうか?
いいえ、実は、いきなりレーシックを選択しなくても、トレーニングで近視は改善できます。
主に近視には、『屈折性近視』と『軸性近視』の2種類があります。簡単に言うと、屈折性近視は軽度の近視で、軸性近視は重度の近視です。
屈折性近視の場合、ただ目の筋肉が凝り固まっているだけなので、目の筋肉をほぐす・鍛えるトレーニングで改善することができます。しかし、軸性近視の場合、そもそも眼球自体が前後に伸びた状態になってしまっているので、屈折性近視と同じトレーニングをしても、あまり効果が期待できません。
軸性近視の基準は、視力が0.5以下で裸眼での日常生活が難しい上に近視になってからの年数が10年以上、と言われています。残念ながらこの基準に当てはまる人は、トレーニングで劇的に視力が改善することは難しいでしょう。だからといって諦めるのはちょっと待ってください。
もしあなたが、この基準に当てはまったとしても、やってみる価値のある改善法がいくつかあります。
目を良くするためには、まず生活習慣を見直すことが大切です。スマホ・テレビ・パソコンの長時間使用を控える、視力回復に良いとされる食べ物・サプリを摂るといった、今できることから始めましょう。
眼鏡やコンタクトを使用している人は、矯正しすぎによる視力低下を防ぐためにも、年に1回は眼科で検査してもらってください。
また、筋肉のコリや衰えが近視の原因である場合、毛様体筋をはじめとする眼筋のトレーニングがおすすめです。目の筋肉のコリをほぐしたり、鍛えたりすることで、近視の回復が期待できます。
さっそく具体的な方法を、いくつか紹介しましょう。
遠くにある物体と、近くにある物体を交互に見るだけの簡単なトレーニングです。近くにあるものと遠くにあるものを交互に見ることで、目のピントを合わせる毛様体筋が鍛えられて、目のストレッチになります。
目の前に立てた人差し指と、その先にある遠くの建物を交互に見るのを、1日20セットを目安に行なうのがおすすめ。数日だけの集中トレーニングではなく、毎日継続していきましょう。
遠くの景色を見つめることで、毛様体筋のコリや疲れをとって、近視の回復をサポートするトレーニングです。
至近距離の作業で目が疲れた時や、ピントが合いにくいと感じた時は、遠くにあるものを10秒間じっと見てみてください。それを3回程度、繰り返し行なうことでトレーニングになります。
余計な考えごとはせず、1点だけを集中して見なければ意味がないので要注意。短期間での視力回復は難しいので、毎日こまめに続けてみてください。
このほか、近視を改善する方法として、角膜へのレーシック手術もあります。ただし、手術による合併症や後遺症といったリスクがあり、誰でも気軽に受けられるものではないため、慎重に検討してください。
安全な方法で近視を改善したい人は、手術しない視力回復の方法や生活習慣の見直し、眼筋トレーニングを試してみてはいかがでしょうか。
サプリや食べ物から目に良い栄養を摂ることでも、近視の改善が期待できます。目に良い栄養素を7つご紹介します。
アントシアニンは、ポリフェノールの1種です。青紫色の天然色素が特徴で、古くから目の働きを高めると言われている栄養素です。
ルテインは、ポリフェノールの1種です。人間の体にも存在していて、『天然のサングラス』と言われるほど目を守ってくれる役割を担っています。
ビタミンB群とは、ビタミンB1・B2・B6・B12・ナイアシン(B3)・パンテトン酸(B5)・葉酸(B9)・ビオチン(B7)の8種類のビタミンBの総称です。
それぞれのビタミンB同士は、相互に作用させることで働きを高めることができます。
目の網膜の光の明暗を感じる『ロドプシン』という物質の主成分が、このビタミンAです。
ビタミンAが不足すると、明暗の感受性が落ちると言われています。主に動物性食品に含まれています。
美容に良いと言われるビタミンCですが、目にも嬉しい効果があります。
ビタミンCには強い抗酸化作用があります。ビタミンCが不足すると、目の老化が加速する、白内障などの眼病になりやすいと言われています。
強い抗酸化作用を持つビタミンで、若返りのビタミンとも呼ばれています。そのため美容に良い栄養素として有名ですが、その効果は目にも発揮されます。
また、ビタミンAとCとの相乗効果が高いため、まとめて摂りたい栄養素です。
DHAは、青魚に多く含まれている脂肪酸です。
脳の神経細胞を活性化させて記憶力を高め、学習能力を向上させる栄養素としても有名ですが、DHAは目の網膜の脂肪酸の40~60%を占めるほど重要な成分であり、目を正常に機能させるために不可欠な存在です。
ツボのマッサージは、近視の改善法の中でも最も簡単な方法です。
毛様体筋の動きが悪くなる原因の1つに、血流が悪くなってしまうことが挙げられます。目のツボをマッサージすることで、血行が良くなりますし、筋肉をほぐすこともできるので、近視の改善法として期待できます。
また、目が疲れていると感じたときにも有効なマッサージなので、覚えておくと役立ちます。
近視の改善に最も影響するツボは、『天応(てんおう)』『清明(せいめい)』『四白(しはく)』の3つです。それぞれのツボの概要とマッサージ方法をご紹介します。
まゆ頭から3mmほど下、目頭とまゆ頭の間に『天応』のツボがあります。そこを下から上に押すと、ツボを刺激できます。
両手の親指の腹で1秒間に1回のペースで下から上にツボを押していきます。このとき、爪で傷つけないように注意しましょう。
爪の長さが気になる場合は、事前に切っておいてください。1分ほどツボを押したら終了です。
目と目の間、鼻筋の一番上あたりを人差し指と親指でつまんでみてください。
そこが、『清明』のツボです。「目が疲れた・・・」と感じたときに無意識にここをつまんだことはないでしょうか?
1秒間に1回のペースで、人差し指と親指でつまむように刺激していきます。1分たったら終了です。
片手で簡単にできますし、周りから見ても不自然に見えないマッサージです。
『四白』は、目の下にあります。
目の下へ両手の人差し指と中指を当てます。中指が少し鼻に触れるくらいの位置です。
その時に人差し指の位置にあるのが『四白』のツボです。
1秒間に1回のペースで、頬の奥を押すように人差し指で押していきます。
慣れてきたら、人差し指で円を描くようにマッサージしていきましょう。1分間続けたら終了です。
※ツボのマッサージは、どれも目の付近で行います。間違って目に直接圧力をかけることのないように注意してください。
トレーニングや目に良い栄養の摂取、マッサージなど、自分でできる近視改善法を行っても効果がなかった場合、やはり医師に頼るのが確実です。
近視の治療法としては、『点眼薬による治療』『レンズを使用した治療』『手術』の3つがあります。
・調節麻痺剤(ミドリンM点眼液など)
この点眼薬による治療は、多くの眼科が一般的に行う方法です。
寝る前に点眼することで、凝り固まった毛様体筋を弛緩させ、近視を緩和させる作用があります。寝る前に点眼するだけ、とかなり簡単ですが、その効果は非常に高く、数時間の近視改善訓練をしたのと同レベルの効果が期待できます。
特にデスクワークや長時間のスマホ利用などの生活習慣が原因の近視に効果的。回復だけでなく近視の進行を防ぐことも可能です。
※この点眼薬を受け取るには、医師の処方箋が必要です。
・調節改善剤(ミオピン点眼液など)
この点眼薬は、随時点眼することで毛様体筋の働きを改善させる作用があります。
また、初期の老眼や眼精疲労による視力低下にも効果的とされています。寝る前に点眼する調節麻痺剤と併用して使う場合が多いですが、この点眼薬は、1回2~3滴を1日4回随時点眼します。一過性の眼圧上昇や調節痙攣といった副作用が確認されているものの、リスクとしては少なく、比較的安全な点眼薬と言えます。
※この点眼薬を受け取るには、医師の処方箋が必要です。
・低濃度アトロピン
毛様体筋の緊張を緩和する作用だけでなく、軸性近視の抑制にも効果的な点眼薬です。
海外の論文によると、副作用を最小限にして、十分な近視進行抑制効果が得られることが証明されています。
低濃度アトロピンも、寝る前に点眼するだけ。非常に簡単に治療できます。2017年7月現在、日本では承認薬ではないため、保険適用外で高額になりますが、比較的安く処方する施設も増えてきています。
※この点眼薬を受け取るには、医師の処方箋が必要です。
・オルソケラトロジー
角膜の形状を矯正するコンタクトレンズを使用した治療法です。
就寝時に装着して寝るだけ、と非常に簡単に治療できますが、重度の近視や乱視の人には適さないというデメリットがあります。
効果が長時間維持でき、目への負担も少ないものの、年齢が若い人に効果が出やすいため一般的には子供の治療として幅広く行われています。
・MCレンズ
近視の進行を抑える眼鏡のようなレンズが、MCレンズです。
近視を進行させる原因の1つに、長時間至近距離のものを見続けることで毛様体筋が固定されてしまうことが挙げられます。
MCレンズは、近距離のものを見るときに毛様体筋による調節を手助けすることで、過度の負担を軽減することができます。ですが、基本的には軽度の近視で回復しやすい成長期の子供向けの治療法となっています。
MCレンズは、クリニック指定の眼鏡店で作成してもらえます。
・レーシック
視力を回復させる方法の中で、真っ先に思い浮かぶのがこのレーシックです。
レーシックとは、角膜に特殊なレーザーを照射し、角膜の形状を変えることで目の屈折力を調整する手術のこと。
レーシックを行うと、90%以上の人が裸眼視力1.0以上になります。手術時間は両目合わせて15分程度で、視力は1日ほどで回復し、1週間~1ヵ月ほどで視力が定着します。
また、その安全性も高く、2009年にアメリカの医学誌で発表された研究結果によれば、近視に対するレーシック手術は長期的に見ても安全であることが分かっています。
早く、確かな効果があり、安全性も高いことから、近視の改善法として最も有力な方法とされているのです。
・有水晶体眼内レンズ(ICL)
主に重度の近視の矯正を目的とした手術で、眼内にレンズを挿入することで近視を矯正する方法です。
レーシックに比べ、より良好な視機能の向上が期待でき、レーシックでは対応できない重度の近視にも対応、見え方の不満や視力の変化があっても簡単にレンズを交換・摘出できる、など優れたメリットがあります。
眼内に挿入するレンズは、手入れや交換が不要で、半永久的に眼内で安定、視力を矯正し続けてくれます。ただ、この方法まだ歴史が浅いため、認定を受けた施工医でないと手術ができず、保険適用外で費用も高額になるという点には注意です。
実は、もう1つ手術不要で近視改善が期待できる方法があります。
レーシックなどの目の手術は、角膜を削ったり目に触れたりするので、どうしても抵抗があるという方も少なくないと思います。そんな方に『アイトレ』はぴったりでしょう。
このアイトレは、手術よりも簡単で費用も安く、自分でできる範囲の近視改善法よりも有効な方法です。アイトレとは、毛様体筋などの目の筋肉のコリに対して、特殊な機器で低周波を当てて、凝り固まった筋肉をほぐしつつ鍛えることができるトレーニングです。
接骨院・整体院・美容サロンなど、アイトレを導入しているサロンで受けることができます。
やることは簡単です。ヘッドフォン型の機器を付けて低周波を当ててもらうだけです。医師や医学博士といった専門家もこのアイトレを推奨しています。
アイトレを行った90%以上の方が、視力の変化を実感しており、痛みや合併症といったリスクもありません。
こちら↓の記事で、実際に体験したレポートをまとめていますので、ぜひチェックしてみてください。