子どもの視力低下

増える視力低下の子どもたちとその原因

子どもたちの視力低下は、年々増加している傾向にあります。スマホやゲームテレビの普及、さらに受験年齢の低下などによって、目を酷使するようになったのが原因です。

昔と比べて、今どきの子どもたちは目が疲れやすい環境で過ごしているといえるでしょう。

現代っ子がものを見るときの距離は約30cm。対象物を至近距離で見る生活をしています。これは小学1年生から小学6年生の子どもを持つ母親に、子ども生活に費やす時間やものを見る距離などについてのアンケート結果から分かったことです。

子どもが生活に費やす時間の内訳は以下のような結果になりました。

子どもの行動別の平均時間

  • 睡眠:8.47時間
  • 家庭勉強:1.12時間
  • ゲーム:1.01時間
  • 読書:0.63時間
  • マンガ:0.47時間

子どもがモノを見る時の対象物との平均距離

  • ゲーム機と目の距離:36.55cm
  • 本と目の距離:30.88cm
  • マンガと目の距離:29.94cm
  • ノートと目の距離:29.82cm

【ロート調べ:小学生の子どもを持つ母親600名/2010年8月参照】

学校で授業を受けている時間を合わせると、起きている時間の3分の1以上は約30cmの距離でものを見ていることになるのです。

長時間近くでものを見続けると、ピント調節筋の緊張状態が過度に続いてしまいます。ピント調節筋はカメラのレンズのような働きがある目の筋肉。目の緊張状態が続きすぎるとピント調節筋は凝り固まってしまい、目が見えにくくなるのです。この状態を「仮性近視」といいます。仮性近視は、生活習慣を改善したり、目の負担を軽くしたりすれば回復の余地あり。逆に、ものを近くで見続けていると、どんどん症状は悪化し回復しづらくなります。

同アンケート調査の学年別視力データによると、視力が1.0未満の1年生は33.8%しかいません。ですが2年生になると視力が1.0未満の生徒は47.5%、6年生になると50.4%と半数以上の子どもが1.0未満という結果になっています。学年が上がるにつれて近視化が進みやすくなるので、早めの対策が必要です。

子どもの視力トラブルをいち早くキャッチ

2010年にロートが調査した「子どもの視力低下に気づいたきっかけ」のアンケート結果によると、「学校からの通知・連絡」が58%以上の回答を占めていました。学校の視力検査の結果で知ることがほとんどだそうです。これに続き「子どものしぐさや行動を見て気づいた」「病院の先生からの指摘」などのきっかけがあります。

現在小学生の子どもを持つ母親が、我が子の健康状態で最も気にしているのは「視力」です。2位が「アレルギー症状に関するトラブル」、3位が「虫歯」となっています。実際に小学生の疾病率でダントツなのは虫歯ですが、虫歯の疾病率は年々減少傾向。その一方で、裸眼視力が1.0未満の子どもは年々増加しているのが理由でしょう。

子どもの視力が低下していても、メガネやコンタクトの使用は「目に悪影響」という理由で、1割の親が抵抗があるそうです。また、「病院の先生が必要ないと言った」「本人が必要としない」などの理由で対策をしない人が半数を占めているのだとか。

視力トラブルを放置することで、視力はどんどん低下していきます。悪化させないために、治療を受ける、または視力アップのトレーニングを取り入れるようにしましょう。

視力検査の結果の見方

視力検査の結果で「B判定」「C判定」と見ても、イマイチどれくらい悪いのか分からない人は多いでしょう。ここでは視力検査の結果の見方を説明しています。

視力検査の結果一覧

A判定 視力1.0以上。教室の一番後ろからでも、黒板の文字がはっきりと見える状態。
B判定 視力1.0未満0.7以上。教室の一番後ろからは黒板の文字が見えにくく、仮性近視の状態。
C判定 視力0.7未満0.3以上。教室の前の席に座っても黒板の文字が見えにくい状態で、重度の仮性近視。
D判定 視力0.3未満。教室の前に座っていてもほとんど文字が見えない状態。完全な近視。

視力検査は4段階評価で行われ、C判定やD判定になると視力が悪いと判断されます。子どもの視力検査でC判定やD判定が出たら、視力回復の対策を取るようにしましょう。

視力検査をすれば目の状態を確認できますが、子どもは自分から「見えづらい」と言わないことや視力が悪いという自覚がない場合がほとんどです。子どもの視力に関しては、親が注意する必要があります。視力検査の結果の見方を知り、子どもの視力状況を把握することが重要です。

視力低下のサインを見抜く6つのポイント

視力を低下させないためにも、日頃から子どもの様子を観察し、異変を感じとることが肝心。視力低下にいち早く気づき、適切な対処法を取れば視力が回復する可能性は高くなります。視力低下のサインを見抜く6つのポイントについて紹介します。日常生活で子どもが以下の行動を取っていたら要注意です。

視力低下

POINT1:遠くを見る際に目を細めていないか?

視力が下がると、遠くを見るときに目を細めてしまいます。ピンホール効果と呼ばれる現象で、目を細めて網膜に入ってくる光を減らし、像を鮮明に結ぼうとしているのです。このサインが現れたらほぼ確実に視力は低下しています。

目を細めてしまうと、周囲から「目つきが悪い」「睨んでいる」と捉えられる可能性も。無意識だとしても、目つきが悪いと周りの子に距離を置かれる恐れもあるので注意しましょう。

POINT2:上目遣いでものを見ていないか?

視力が低下すると、上目遣いが一番見やすい姿勢になります。

パソコンやゲーム機を近くで覗き込んでいたり、寝転がってスマホを扱ったりしている場合、上目遣いでものを見てしまいがち。インターネットやゲームをしていると、集中しすぎて姿勢が悪くなります。すると猫背になり、自然と上目遣いでものを見る癖がついてしまうのです。インターネットやゲームをよくする子どもには、このサインに気を付けましょう。

POINT3:あごを上げてものを見ていないか?

視力が下がってくると、無意識に目の位置を変えてぼやけた像を調整するようにします。あごを上げて顔を上下に動かすしぐさをするのも、目の位置を調整しているサイン。

このしぐさは横柄に見え、「生意気だ」と悪い評判が立つ恐れがあります。実際には視力低下が原因である可能性が高いため、子どもを怒ってはいけません。サインに気づいたら視力低下を疑い、「ものが見えにくいの?」と尋ねることが大切です。

POINT4:テレビや本に顔を近づけて見ていないか?

子どもは夢中になったり、興味をもったりする対象物に(テレビや本など)、どんどん顔が近づいていきます。大半は興味関心からの行動ですが、あまりにも頻繁に近づいたり距離が近すぎたりする場合は視力低下のサインかもしれません。

視力低下のサインに気づくためには、普段からある程度距離を取ってテレビや本を見る習慣を身に付けさせておくことが大切です。

POINT5:片目や横目でものを見ていないか?

子どもがテレビや本を見るときに、正面からではなく、顔の位置をずらして横目で見ていることはありませんか?また、寝転がっているときに、片目をつぶってテレビを見ていることはありませんか?

この場合、左右のどちらかの視力が低下している可能性が高いです。両目の視力差を放置していると、乱視の原因になるので注意しましょう。

POINT6:目をよくこすってないか?

目をこすってしまうのは、視力低下による目の疲れが原因です。視力が低下してしまうと、目に過剰な力がかかり、目の周辺の筋肉が疲れやすくなります。その疲れに違和感を覚えた子どもが、目をこすってしまうのです。

子どもの場合、汚れた手で目をこすって角膜を傷つけてしまうことがあります。

子どもの視力低下で考えられる原因とは?

子どもの視力低下のイメージ図

子どもの視力低下の原因は、大人と違って複雑です。年齢や成長スピード、遺伝など、原因はさまざま。

小学生に入学した子どもの視力低下で最も多いのは「近視」だといわれています。

近視とは、遠くのものを見る時にピントが合わず、視界がぼやけている状態のことです。近年の子どもは、遠くの景色を眺めることが少なく、テレビや本を見るといった作業が生活の大部分を占めるため、近視が増えていると考えられています。

近視の原因は、「遺伝」と「環境」の2つの説が有力です。ここでは遺伝説と環境説について説明していきます。

■遺伝説

遺伝説は、親からの遺伝で近視になると考える説です。近視の遺伝率は89%といわれており、近視の発症に関係する遺伝子も見つかっています。専門家から支持されているのはこの説です。

特に遺伝と関係する近視の場合、10歳以下の低年齢から表れる症状を「軸性近視」といいます。生まれつき眼球の形が特殊なため、焦点がどんどん前にずれることで起こる症状です。

一方で、10歳以降から始まるタイプの近視は、眼球の成長によって起こると考えられています。眼球が成長し、焦点を合わせるための水晶体と網膜の距離が離れてしまい、光の焦点が徐々に移動してしまう症状です。

■環境説

環境説は、長時間のパソコンやスマートフォンの使用・テレビゲームの操作・照明の明るさ・食の欧米化などによって近視が進行するという説です。近年はスマホやパソコンなど近くを見ることが多く、その環境に適応して近視になると考えられています。なぜなら近くを見る際は近視のほうが目の負担が少ないからです。

近視の子どもは地方よりも都市部に多いと言われています。地方は緑が豊富で、自然と触れ合う機会が多いのが特徴。緑を見ることは目にも良いので、都市部より近視の子どもが少ないのも納得でしょう。

環境説は、現代の子どもの近視の原因として最も有力だといわれています。

視力低下の原因となる症状

子どもの視力低下のほとんどは「近視」と言われていますが、原因は他にもあります。まだ成長過程にある子どもの場合は、「遠視」や「仮性近視」も視力低下の原因であることが多いようです。

遠視は、焦点が後ろにずれていて近くにも遠くにもピントが合っていない状態です。

仮性近視は視力が低いけれど近視ではない、一時的な近視状態を指します。

子どもは、目のピントを調整する力が弱いことから、遠視や仮性近視が起こる可能性が高いのだそう。

一時的なものとはいえ、そのまま放置しておくと症状は悪化し、視力が回復しづらくなってしまいます。

「うちの子、目が悪いのかな?」と少しでも疑問を持った時には、できるだけ早めに対処することが重要です。

実は怖い子供の遠視

子どもの頃は、誰もが生まれつき遠視であることが普通。成長するにつれて遠視は弱まり、正視や近視になっていくのです。子どもの頃はピントを調整する機能がしっかり働いてくれるので、普通に生活していて違和感に気づきにくいのが特徴。そのため、親も遠視だと気づかない場合が多いのです。遠視で目がぼやけたままだと、「見る力」の発達不良で弱視になったり、無理なピント調節によって斜視になったりする恐れもあります。

遠視に気づかず斜視や弱視にならないよう、遠視の症状を詳しく見ていきましょう。

遠視について詳しくはこちら>>

子どもの視力回復に良いとされる方法は?

子どもの視力を回復させるには原因を正しく知る必要があるため、眼科を受診して詳しく検査してもらいましょう。その上で、目の状態に合わせた適切な対処が必要です。

目が成長過程にある子どもには、目の機能を高める「アイトレ」が良いとされています。

アイトレとは、ヘッドホンのような形をした目のトレーニング機器。角膜の手術をしたり眼球に直接触れたりする必要はないため、目の負担や損傷がなく安全に視力を回復できるのが特徴です。

子どもにとって、レーシックやコンタクトなどは目への負担や恐怖が大きいもの。子どもの視力を回復するのなら、ぜひアイトレを取り入れてみましょう。

アイトレについて詳しくはこちら>>

子どもの視力低下!弱視の可能性も疑おう

弱視とは?

医学的な分類でいうと弱視は近視や遠視などと違い、メガネやコンタクトレンズなどの視力矯正を施しても視力が回復しない目の状態を指します。

子どもは、絶えずものを見ることで脳を刺激して視力を発達させます。

しかし、何らかの障害で「ものを見ることができない」「見づらい」状態が続くと、視力の発達が止まってしまいます。「子どもの弱視」はこうした原因で起こるのです。

弱視の原因

子どもの弱視には大きく分けて2つのパターンがあります。一つは未熟児網膜症、先天奇形など器質的障害や疾患によるものと、遠視・乱視など角膜の屈折異常が原因で視覚機能の成長が止まっている場合です。

とりわけ、子どもの弱視に多いのは後者のパターンです。幼少期にピントの合った鮮明な画像が映されないままだと、脳や視神経の働きが十分に成長しないまま視覚機能の発達が途中で止まってしまいます。

弱視は早期発見が重要

幼少期に培われる感性や知力、運動機能のほとんどが、視力から得る情報に影響を受けています。この大切な時期に弱視を患うと、本来得るべき情報を逃してしまい、成長面で大きなハンディキャップを負ってしまいます。

また、ものが見えないことで事故やケガの危険性も増すため、注意が必要です。弱視を含め、視力低下は早期発見・解消が重要です。

子どもの弱視治療

子どもの弱視は、親や周囲の人間が認知するしかありません。治療が早ければ、それだけ視力回復の効果も高まります。

逆に、小学校中学年まで認知されず弱視を患ったままだと視力回復の可能性が下がり、回復できたとしても十分な視力には届かないでしょう。

3歳児検診などで弱視を発見し、適切な治療を開始すれば、6歳までには健常者並みの視力に回復できる可能性があります。弱視治療は早期発見が重要なのです。

トレーニングの効果を実感するためのコツ

子どもの視力回復トレーニングは、いかに飽きずに続けられるかが大きなポイントです。長く続けなければ効果は現れにくいので、毎日楽しみながら続けられるように工夫しましょう。

もし「継続させるのが難しい場合」や「長く続けたけど効果が出ない場合」は、視力回復のトレーニング機器を利用することをおすすめします。

子どものモチベーションを保つことは非常に大変ですが、視力が悪いと、勉強やスポーツの成長スピードや吸収力が変わってきます。

子どもの将来を見据えた上で、視力低下が改善できるよう積極的に取り組んでいきましょう。

親が子どもの生活習慣を正してあげることが大事

視力回復トレーニングをしっかりと行っておくことも大切ですが、生活習慣も子どもの視力に大きな影響を与えます。子どもの目の健康を守るために、次の点に気をつけましょう。

・テレビ、パソコンの視聴時間制限

テレビ、ゲーム、パソコンなどの目に負担をかける娯楽は、一日1時間までというように制限を設けましょう。また、定期的に目を休ませるなどの「こまめな休憩」を取らせることも大事です。

・照明

テレビなどの画面を見るときは、必ず明かりをつけるようにします。勉強などで机に向かう場合は、適切な明るさで照らせるデスクライトを用意しましょう。明るすぎるものは逆に目に負担をかけてしまうため、「目に優しい設計」になっている製品を選ぶとよいです。

・姿勢

常に背筋を伸ばす姿勢を心がけましょう。偏った姿勢を長時間続けると目の筋肉(外眼筋)に負担をかけ、両目のバランスが悪くなることがあります。パソコンは50センチ以上、テレビ画面は2メートル以上、本やノートは30センチ以上離す、といったルールを決めましょう。

・食事

栄養バランスを考えた食事を用意しましょう。特に不足しがちな目の栄養は青魚や緑黄色野菜、豆類に多く含まれています。不足分は補助サプリメントなどを活用するとよいでしょう。

視力回復できるおすすめの方法はこの2つ!「アイトレ」と「レーシック」を徹底比較