視力回復ならどっちが良い?目の筋トレ「アイトレ」と目の手術「レーシック」
視力回復に良いとされるサプリや食べ物、含まれている成分などを紹介していきます。
栄養素をたっぷり凝縮したサプリメント(サプリ)の中には、体内から視力回復をサポートしてくれるものもあります。1日数粒を飲むだけで手軽に摂取できるサプリなら、普段の生活に取り入れやすいため、何かと忙しい人や外食が多い人などにもおすすめです。
なお、サプリを選ぶ際には、配合されている成分に注目しましょう。近視の抑制に良いと言われる栄養素は、ブルーベリーやカシスに含まれる「アントシアニン」、青魚などに多く含まれる「DHA(ドコサヘキサエン酸)」です。
眼精疲労やドライアイの改善に良いとされているのは「ビタミンA」「ビタミンB群」「ビタミンE」「亜鉛」。眼病の予防には「ルテイン」「リコピン」「ベータカロテン」「カテキン」「ビタミンC」が良いといわれています。
ブルーベリーのサプリを飲み始めてから2か月。仕事上、車を長時間運転するのですが、夜でも道路標識がクリアに見えるようになりました。安全運転のために、これからも飲み続けたいです。
以前は、目の疲れやドライアイが気になって、パソコン作業に集中できなくなるのが悩みでした。でも、数年前からカシスのサプリを朝昼飲み続けて、今では夕方まで集中できるようになりました。
ビタミンAは視細胞であるロドプシンの材料になります。ロドプシンは主に弱い光の認識を調節する細胞で、例えば薄暗い場所で徐々に目が慣れてくるのはこのロドプシンの働きのおかげです。
ビタミンAが減少すると、ロドプシンをうまく作ることができなくなり夜盲症という病気になります。夜盲症はその名の通り、暗い中でものが見えづらくなってしまう症状です。
ちなみに、鳥はこのロドプシンがあまり発達していないため、夜になると光をキャッチすることができず、モノが見えにくくなります。(フクロウなど、夜に活動する鳥は例外です)そのため、夜盲症のことを鳥目といったりもします。
ビタミンBには8種類(B1、B2、ナイアシン、パントテン酸、B6、B12、葉酸、ビオチン)あり、それらをまとめてビタミンB郡とよんでいます。特に目に良いとされているのは、ビタミンB6とビタミンB12です。
ビタミンB6には細胞の新陳代謝を促進して、目の疲れを緩和する働きがあります。ビタミンB12には目の毛様体筋や視神経に作用して、ピント調整機能を向上する作用があります。ビタミンB6、B12は両方とも、よく目薬に含まれている成分です。
ビタミンCは別名L-アスコルビン酸ともいわれており、タンパク質の代謝に必要不可欠です。抗酸化作用があることは有名ですよね。
目の水晶体は、クリスタリンというタンパク質で構成されています。老化によってこのタンパク質に変性がおきると、水晶体の中に濁りが生じます。これが白内障です。ビタミンCには、このタンパク質の変性を防ぐ作用があります。
国立がん研究センターのJPHC研究(2000年)によると、ビタミンCの摂取量が最も多いグループの老人性白内障の発症率は、最も摂取量が少ないグループに比べて男性で35%、女性で41%も低いことが明らかになっています。
参照URL:http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/295.html
サイトタイトル:国立研究開発法人 国立がん研究センター 社会と健康研究センター
ビタミンEには抗酸化作用があるため、目の組織の老化を防いでくれます。また、目に栄養を運んでいる毛細血管の血流を良くして、酸素や他のビタミンなどの栄養素が目に運ばれやすいようにする働きもあります。
ビタミンは脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに分けられます。身体に必要以上のビタミンを摂取した時、水溶性ビタミンの場合は尿に溶けて排出することができます。
しかし、脂溶性ビタミンは水に溶けにくい性質があるため、尿として効率よく排出することができません。そのためサプリで脂溶性ビタミンを摂りすぎると、さまざまな過剰症を引き起こすので注意が必要です。
以下に注意が必要な脂溶性ビタミンとその症状をまとめておきます。
脂溶性ビタミンの種類 | 症状 |
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ビタミンA | 催奇形因子(奇形児)、手足の痛み、めまい、吐き気、下痢、食欲不振、睡眠障害、脱毛、頭痛 |
ビタミンD | 高カルシウム結晶、腎障害、口渇、倦怠感、抑うつ、尿毒症 |
ビタミンK | 吐き気、呼吸困難、皮膚水疱症 |
ビタミンE | 吐き気、下痢、肝機能障害、筋力低下、骨粗鬆症 |
脂溶性ビタミンをサプリで摂取する場合は、サプリに記載された1日の摂取量を守るようにしましょう。
目に良い栄養素は、サプリ以外に食材からももちろん摂ることができます。美味しく摂取できるレシピを2つ紹介しますので、是非参考にしてみてください。
食材の中には、視力回復をサポートする栄養素があり、毎日の食事に取り入れることができます。1つの食材だけでなく、複数を組み合わせると、より高い効果を発揮することも。
「食材から自然に栄養素を摂取したい」と考えている人は、今日の食事から見直してみましょう。
レモンに多く含まれている「ビタミンC」は、目に様々なメリットをもたらします。抗酸化作用による緑内障の予防、メラニン色素の抑制と新陳代謝を促すことによる目のクマの解消、免疫力向上やストレス緩和による眼病及び疲れ目予防など、嬉しい効果が多いです。
様々な料理の調味料として人気のレモンですが、おやつや料理の主役としても大活躍します。眼精疲労やだるさなどを感じる時は、疲れをとり免疫力を高めてくれる「レモンのはちみつ漬け」を試してみてください。
【材料】
【作り方】
牡蠣に含まれる「亜鉛」は網膜の働きを助ける栄養素です。視神経の伝達にも亜鉛が関係しているため、不足すると疲れ目や夜盲症(暗いところだと目がほとんど見えなくなる症状のこと)になりやすくなります。この亜鉛は、「ビタミンC」と同じく体内で生成できないので、サプリもしくは食品で摂取しなければなりません。
牡蠣以外の目に良い食材もいくつか組みあわせれば、目に良い栄養素をより効果的に美味しく摂取できます。
【材料:3人前】
【作り方】
鮭に豊富に含まれている「アスタキサンチン」には、目の神経に働きかける作用があり、疲れ目解消、視力回復、目の老化防止に効果が期待できるとされています。また、視機能の改善をサポートする「DHA」も多く含まれているので、積極的に取り入れたい食材の1つです。
鮭の卵であるイクラにも「アスタキサンチン」が豊富に含まれているので、鮭と一緒に食べる親子丼がおすすめです。
【材料:2人前】
【作り方】
紫外線のダメージから目を守る「ルテイン」をはじめ、目の粘膜を健康に保つ「ベータカロテン」や、目の老化を防ぐ「ビタミンE」、眼病を予防する「ビタミンC」と、目に良いといわれている栄養素が多く含まれています。
これまた目に良い鮭と一緒にほうれん草を摂ることで、相互作用が期待できます。
【材料:2人前】
【作り方】
「目に良い食材」として広く知られているブルーベリーには、眼精疲労や近視抑制に良いとされるアントシアニンが多く含まれています。また、涙の生成に働きかけるビタミンAや、目の老化を防止するビタミンEも豊富です。
そのまま食べるだけでもOKですが、同じく「アントシアニン」が豊富に含まれるアサイーを一緒に摂れば、さらに高い効果が期待できます。
【材料:1人前】
【作り方】
目にいい食べ物はどんなものか、といったことを知っている人は多いですが、具体的にそれらの食べ物のどういった栄養素に効果があるのか、という問いに答えられる人は少ないものです。
そこで、症状ごとに改善効果のある栄養成分について詳しく見ていきましょう。
効能 | 網膜上で光を感知させるタンパク質、ロドプシンの再合成をサポートする働き。目を酷使したときや老化によってこのロドプシンは少なくなるが、アントシアニンの摂取で再合成を促進できます。 |
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アントシアニンが 豊富な食べ物 |
ブルーベリーを始めとしたベリー果実・カシス |
効能 | 皮膚や粘膜の生成を促します。目の健康にも関わっており、涙の量を増やすことや、角膜にムチン層を作って涙の乾燥を防ぐなど、目の湿潤性を保つ働きがあります。 |
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ビタミンAが 豊富な食べ物 |
豚や牛、鶏のレバー・ウナギ・あんこうの肝 |
効能 | ビタミンB1は目の筋肉の疲れを和らげ、B2は目の粘膜の正常化を促します。B6は眼精疲労を回復させ、B12は視神経の働きを高める作用があるのです。 これらのビタミン群は相互の作用し合い、目の状態改善や疲労回復に高い効果をもたらしてくれます。 |
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ビタミンB群が 豊富な食べ物 |
B1:豚肉・玄米・ウナギ・ピーナッツ・ごま・大豆・にんにく B2:卵・納豆・レバー・ほうれん草・牛乳・ウナギ・干しシイタケ・サバ B6:マグロ・鶏肉・レバー・ピスタチオ・ニンニク・バナナ・小麦胚 B12:ニシン・牡蠣・レバーチーズ |
効能 | ビタミンEは、血行促進効果のあるビタミンです。目の中にはピント調節をする毛様体筋を始め、視界を良好に保つ筋肉や組織が多くあります。それらの筋肉や組織は血液から栄養を得ているため、血行が悪くなると働きも衰えてしまうのです。ビタミンEを摂取することで、視力の衰えを抑制し、疲れ目の改善や良好な視界の確保をしやすくなります。 |
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ビタミンEが 豊富な食べ物 |
ウナギ・エビ・イカ・ウニ・かずのこ・ツナ油漬け・かぼちゃ・さつまいも・ほうれん草・植物オイル |
効能 | 亜鉛には、視神経の伝達をスムーズにする働きがあります。必要量を摂取することで、目の機能を良好に保つことができるでしょう。また、亜鉛には目の粘膜の健康を維持する働きもあります。 |
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亜鉛が 豊富な食べ物 |
牡蠣・豚レバー・ほや貝・牛肉(肩とヒレ)・タマゴ |
眼精疲労の原因は、目の酷使によるものや、ストレスが原因となるものなど、様々です。中にはドライアイとなってしまい、目の負担が大きくなり、眼精疲労となってしまうケースもあるようです。
眼精疲労になる前に、「なんとなく目が乾いた感じがする」など、ドライアイの兆候がある人は、こちらのページを見てみてください。
【ルテイン】
効能 | 水晶体や網膜の老化を防ぐ作用があります。白内障や飛蚊症、黄斑変性症などの予防にも高い効果があります。 |
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ルテインが 豊富な食べ物 |
ブロッコリー・ほうれん草・ケール |
【リコピン】
効能 | 高い抗酸化作用があるため、目を老化させる活性酸素を防ぎ、目の機能の維持と改善に効果的です。上記のルテインと一緒に摂取すると、相互作用によってさらに高い効果が得られます。 |
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リコピンが 豊富な食べ物 |
トマト・ピンクグレープフルーツ・スイカ |
【βカロテン】
効能 | 目の粘膜や細胞の新陳代謝を促進し、目の健康を保ちます。また、夜盲症などの症状を軽減させる効果もあります。 |
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βカロテンが 豊富な食べ物 |
にんじんを始めとした緑黄色野菜・かぼちゃ・にら |
【ビタミンC】
効能 | 高い抗酸化作用で目の老化を防ぎます。また、水晶体の酸化防止と透明度を保つ働きがあるので、白内障予防にも効果的です。 |
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ビタミンCが 豊富な食べ物 |
ブロッコリー・キャベツ・さつまいも・小松菜・イチゴ・カシス・キウイ・オレンジ・グレープフルーツ |
目によい影響を与える食べ物もあれば、逆に食べ過ぎると目に悪影響を与えてしまう食べ物も存在します。
決して体にとって悪い食べ物というわけではありませんが、私たちの生活で食べすぎてしまう傾向があるため、食べる時は一日に食べる分量に注意しなければなりません。
【糖類】
問題点 | 糖類を食べ過ぎた場合、問題となるのが血糖値の上昇です。毎日の生活で過剰に糖類を摂取し続けると、すい臓から分泌されるインスリン量が低下し、体が徐々に高血糖状態となります。血糖値が高くなると、ダメージを受けるのが毛細血管。目にはたくさんの毛細血管が存在しますが、高血糖状態によりこの毛細血管に血流不良が起こり、徐々に目の機能が衰えてしまうのです。 血糖値が高くなるとリスクが高くなるのが糖尿病。目は糖尿病による合併症が起こりやすい場所なので、血糖値が高いと視力低下や眼病のリスクが高まります。 |
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糖類が 豊富な食品 |
ジュース・お菓子(ショ糖)・果物類(果糖) |
【動物性の油】(飽和脂肪酸)
問題点 | 動物性の油を摂りすぎた場合、問題となるのがメタボによる問題です。メタボになると、血糖値が上昇し上述したような糖尿病による視力低下を招きます。 また、高脂血症は毛細血管内で血管狭窄や動脈硬化をもたらします。目の中の毛細血管を破裂させることで、糖尿病性網膜症や緑内障といった重大な視覚障害のリスクも高くなるのです。 |
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動物性の油が 豊富な食品 |
魚以外の肉類全般・乳製品(チーズ・牛乳・タマゴ)・インスタント食品・ジャンクフード・ファーストフード・加工食品 |
ここまで目にいい栄養素、逆に悪い栄養素について述べてきましたが、知っておいてほしいのが、どんな優れた栄養素でも過剰摂取すると必ず「副作用」が現れるということです。
ダイエット食品や健康食品などが注目されると、多くの人は痩せるため、または健康のためにその食品ばかりを食べ過ぎることがあります。しかし、まるで薬のように毎日その食品ばかりを食べ続けるのは避けたほうがよいでしょう。
例えば、目にいい食べ物とされるアントシアニンですが、過剰摂取により胃の痛みや肌荒れといった副作用が起きたという報告があります。また、ブルーベリーが含まれる食べ物はジャムやジュースなど、果糖などの糖分が豊富に含まれる食品が多いものです。目によいからと食べ続ければ、かえって糖尿病のリスクを高め、目にとって悪い結果をもたらす可能性があります。
逆に、健康にとって悪だとされてきた動物性油に含まれる飽和脂肪酸ですが、飽和脂肪酸は脳の働きをよくし、ある一定の量であれば血管を丈夫に保つという働きがあります。「飽和脂肪酸を摂取すると悪玉コレステロールが増える」という話はよく耳にしますが、この悪玉コレステロールも人の体に必須となるコレステロールを運搬するという重要な働きがあります。コレステロールは人の体の細胞膜やホルモンの原料になります。血管を丈夫に保つ働きや、心身のバランスを正常に保つために欠かせない成分なのです。高コレステロール状態の人のほうが平均寿命が長いという話も、こうしたコレステロールの働きによるものでしょう。
最近の厚生労働省の発表により、コレステロール量の多い食事を摂ったとしても、血中のコレステロール量には影響しないということが周知されました。つまり、体を健康に保つなら、多少の飽和脂肪酸は摂取する必要があるのです。
大切なのは、毎日の食事で摂取する「栄養のバランス」です。
目のため、ひいては健康のためにと栄養バランスを考えない食事制限をしたり、目にいい食べ物を偏って食べ過ぎたりすると、かえって体にとって悪い影響を与えます。目にいい食べ物を意識しつつも、バランスの取れた食生活を心掛けましょう。