視力回復ならどっちが良い?目の筋トレ「アイトレ」と目の手術「レーシック」
目を良くするには「目の筋肉」が鍵であるとして、眼筋の働きや視力低下の仕組み、トレーニング方法などを紹介しています。
視力回復の鍵は、「目の筋肉」が握っているといっても過言ではありません。いくら視力矯正道具の使用や、レーシック手術を受けるなどしても、目の筋肉が疲労したり衰えたりすれば、ピントは合わなくなってしまいます。つまり、本当に目を良くしたいなら、視力にも筋肉トレーニングが必要なのです。目の筋肉のコリをほぐして鍛えることで、視力の回復が期待できます。
目の筋肉は「外眼筋」と「内眼筋」に分類でき、眼球の内部にある内眼筋には「毛様体筋」と「瞳孔括約筋・瞳孔散大筋」の2種類があります。どの筋肉もそれぞれ大切な働きをしていますが、視力回復のために特に注目したいのが「毛様体筋」です。
毛様体筋は、水晶体の厚さを変えて、目のピントを合わせる働きをしている筋肉です。遠くを見るときは、この毛様体筋がリラックスした状態となり、近くを見るときは、ピントを調整するために緊張状態となります。
近くのものを長時間見続けると、毛様体筋が疲れて凝り固まってしまい、ピント調整機能が低下する原因に。スマホやパソコンを良く使う人や、自動車を長時間運転する人などは、特に毛様体筋が凝りやすいので要注意です。また、コンタクトレンズの使用などで、毛様体筋がなまったり衰えたりすることでも、視力低下につながります。
視力回復トレーニングといっても、様々な方法があります。人によって視力低下の原因は異なるため、自分に合ったトレーニング法を選ぶ必要があります。まずは「自分の視力低下の原因」を正しく理解しましょう。
ケース1:近くのものを見た直後に遠くを見ると目がかすむ
ケース2:文字を読むのが前より遅くなった+読み間違いが増えた
ケース3:暗い場所だと物が見えづらい
ケース4:視界に入るものが歪んで見える
ケース1~4のどれに該当するかで、ベストな目のトレーニング方法が異なります。
毛様体筋について
眼球のしくみをカメラの構造で例えると、毛様体筋はカメラのオートフォーカスのような機能を果たしています。
眼球の働きにおいて視線の景色を遠近に切り替えてもピンボケしないのは、毛様体筋の動きが正常に機能しているからです。
この筋力が疲労や加齢によって、衰えてくると「遠くの景色が見えにくくなる」、「小さな字が読めない」などのトラブルを抱えることになります。
毛様体筋を鍛えると
毛様体筋の衰えは、水晶体のピントを調節するトレーニングによって改善できます。継続してトレーニングを行うことで目の調節機能が向上します。
特に、近くのものを長時間凝視することが多い現代社会では、眼精疲労を抱えることが多いので毛様体筋の衰えが低年齢化している傾向にあります。
現在、目の働きに問題がない人でも、普段目を酷使している人には定期的なトレーニングをおすすめします。
遠近注視
近くの景色と遠くの景色を交互に見ることで、疲労の蓄積で凝り固まった毛様体筋をほぐしてピント調整力を改善します。近くのものと遠くのものを、繰り返し交互に見ることでピント調整力を取り戻すことができます。
遠方凝視
遠くの一点を凝視することでも、毛様体筋を鍛えることができます。はっきりと見えなくても、集中して見ようと意識するのがコツです。両目で見た後は、片目をふさいで左右で同様に凝視することでバランスよく鍛えることができます。
焦点イメージ
1文字を見て目を閉じた状態でも、その字に焦点を合わせ続けるイメージトレーニングです。毛様体筋は目をつぶると緩むので、その感覚をキープすることがポイントになります。
外眼筋について
眼球を動かす機能で、6つの筋肉で構成されています。これらの筋肉は独立しているのではなく、連動して伸縮することで眼球が動くしくみになっています。
そのため、どれかの筋力が弱まると、バランスが崩れ、眼球に歪みが発生して近視や遠視、乱視の原因になるとされています。
とりわけ、普段近くのものを長時間凝視する人は外眼筋を使用していないので、適度なトレーニングが必要です。
物の動きを目だけで追う
首を動かさず目の動きだけで動くものを観察することで、外眼筋を鍛えることができます。
いろいろな方向に動かしているうちに痛みや疲れを感じる人は普段から外眼筋を動かしていない証拠です。上下左右斜めなど多方向に動かして外眼筋を鍛えましょう。
順番探し
1~50程度の数字やひらがなを書いた紙などを用意して、順序良く目で追っていくというトレーニングが効果的です。外眼筋が鍛えられるほど、目で追う速度は速くなります。
虹彩筋について
瞳孔の周辺にある黒目と白目の境界にある茶色い部分を指します。
明暗を感じ取って目に入る光の量を調節する機能で、カメラのしくみでいうと「絞り」に該当します。虹彩筋は加齢により次第に衰えていくといわれ、この働きが鈍ると光の調節が苦手になります。
光の量が常に同じままだと眩しさ暗さに対して弱くなり、ものが見えづらくなります。改善するためには適度なトレーニングが必要です。
残像イメージ
絵や写真などの中心を凝視し、目に焼き付けるイメージで20秒ほど見つめます。そのあと目を閉じるとまぶたにうっすらとイメージが浮かび上がってきます。これを繰り返して明暗で光の量を調節するトレーニングができます。
明暗トレーニング
目を閉じた状態で行うトレーニングです。まぶたごしに明かりを見つめて、10秒経ったら消す→10秒経ったら再び点灯するというように、繰り返すことで虹彩筋を鍛えることができます。
太陽の光を利用する場合は、まぶたの上から太陽を見つめるのをON、まぶたの上から両手で隠すのをOFFとして数回ほど行いましょう(※太陽の光を直接見ないでください)。
ケース4:脳トレーニング
ケース4は他の場合と違い、目の周辺ではなく脳の働きに問題があるパターンです。視覚とは眼球から受け取った視覚情報が視神経を通って脳に伝達し、脳がその情報を処理して再び眼球へフィードバックする一連の動作で成立しています。
脳は持ち主の負担にならないように、不要な視覚情報を削ることでバランスをとっています。脳の働きと眼球は密接に関連しています。そのため脳を鍛えることは視力回復にも非常に効果的なのです。
動体視力で脳に刺激を与える
動体視力とは、動いているものを認識する力を指します。動体視力を鍛えることで脳に刺激を送ることができます。
動体視力は外眼筋を鍛える動きに近いものです。これと違うのはしっかりと何が映っているのかを確認できるように目で追う、ということです。慣れたら徐々にスピードアップするなどして工夫しましょう。
目の筋肉に働きかけるトレーニングによって、眼筋のコリをほぐし、鍛えることが可能です。その代表的な方法としては、近くにあるものと遠くにあるものを交互に見る「遠近トレーニング」、遠くの景色を見る「遠方凝視・望遠トレーニング」、眼球を上下左右などに動かす「眼球トレーニング」などがあります。「遠近トレーニング」と「遠方凝視・望遠トレーニング」は毛様体筋に働きかけるもので、「眼球トレーニング」は外眼筋に働きかけるトレーニングです。その他、ピンホールメガネなどの道具を利用する方法や、血行を良くして目を癒すマッサージなども、視力に良いとされています。
どの方法も、数日~1週間ほど実践しただけでは、視力回復を実感するのは難しいでしょう。眼筋トレーニングは、いわば「目の筋トレ」なので、ある程度長期間、毎日継続することが何より大切です。続ける自信がないという人は、安全かつ手軽に使える最新のトレーニング機器を利用すると良いでしょう。